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Paris
2024年11月21日 木曜日

パリの移動手段を制覇する

ブックマーク記事
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セーヌ川が街を横断し、歴史的な建造物や素敵なブティックが密集する街。
どこを歩いても絵になるパリは、知らず知らずに5キロ、6キロと平気で歩けてしまう街なのです。
ダイエット旅行と決め込んで気合を入れているなら話は別ですが、翌日はクタクタで楽しみも半減!なんてことも…(経験者談)

メトロやバス、トラムにバトビュス(船)など、移動手段が豊富なところもパリの魅力。
パスやチケットをうまく使って移動時間も楽しんじゃいましょう。

1.パリの主な移動手段(乗り物)

パリの公共交通、例えばメトロ、RER(電車)、バス、モンマルトルのケーブルカー、トラム(路面電車)は同じ組織(RATP:パリ交通公団)が運営しており、全て共通チケットで利用できます。
すごく便利ですよね。

メトロ

16路線(3、7号線の支線を含む)が309駅を運行している。

パリのメトロはzone 1-2の乗車券で乗降可能です。

例外は、新凱旋門(グランダルシュ)のあるメトロのLa Défense – Grande Arche駅。
パリからラ・デファンスまでのチケット料金は、地下鉄 (1号線) と RER (A号線) のどちらに乗るかによって異なります。
zone3ですが地下鉄の場合は『ticket t +(zone1-2)』で乗り降り可能。
この例外はメトロのみに適用され、RERやバスを利用する場合は乗降駅のzoneまでのチケットが必要になります。ご注意ください。
(新凱旋門にRERやバスで行った場合はzone3までのチケットが必要)

RER出口ではチケットチェックが頻繁に行われるため、観光客を含む多くの人が、罰金を科されたり、改札から出られなくなっているそうです(定期的に自治体の議題にあがり、問題になっています)

RER(エール・ウ・エール)

Réseau express régional d’Île-de-France(イル=ド=フランス地域圏急行鉄道網)の略。
パリと周辺地域(ヴェルサイユやディズニーランド・パリ、空港)を繋ぐRERは遠出をする時以外、利用する機会は少ないかもしれません。
市内だけにフォーカスすると、RER A線はパリの中心を横断、B線は縦断して走っています。
リュクサンブール公園やソルボンヌ大学(カルチェラタン)はB線のPortRoyalやLuxembourgが便利でだったりします。
しかし、メトロよりも利用者が少ないため駅構内が閑散としており、慣れない方は少し怖いかもしれません(一人旅の場合は特に)
Transilien(トランシリアン:通称、郊外線)はパリ市内ではRERと重なるため割愛します。

バス

路線バスには20から199までの番号が付けられています。

この番号は1945年11月当時の始発バスを基につけられたもので、今日は必ずしもこれに従っていません。10の位の数字は市内中心部を指します(例:20~29はサン=ラザール/オペラ、30~49は東駅)1の位の数字は周辺地区を指します(例:3は東、7は南西、等)しかし、1945年以降路線が大幅に拡大し、現在では必ずしもこのとおりではありません。

  1. 20番から99番のバスは、パリ市内及び近郊を走ります。
  2. 100番から199番のバスは、パリ近郊を走ります。ただし102、109、111、132、169等、一部の路線はパリ市内にも入ります。

バスの路線図を見る

また、空港と市内をつなぐ高速バス(オルリーバス、ロワシーバス)や、観光バス(モンマルトロバス、オープンツアー)の特別路線も運行しています。

路線図を見る

.ratp.fr より引用

トラム(路面電車)

トラムは10路線からなり、パリ周辺と近郊を走ります。

Tramways

路線はすべて数字と色によって区別され、駅及び車輌のすべての掲示板、ならびにマップ全部で共通に用いられます。トラムはT4線(SNCF)を除き、すべてRATPが運営しています。

トラムの路線図を見る

.ratp.fr より引用

公共交通以外の乗り物

パリの主な移動手段はメトロ(地下鉄)、電車、トラム(路面電車)、バス。
これらを使いこなせればパリ観光をより充実させることができると思います。

旅行の目的によっては、次の移動手段もおすすめです。

  • 観光循環バス
    主要観光地を数多く効率よく回りたいという目的であれば、パリ・オープンツアー・バス
    とにかく「建物の外観だけ見たい」「土地勘をつかみたい」というニーズは叶えてくれるはず
  • セーヌ川クルーズ
    BatoBus(船)の停留所を最寄駅の一つとして紹介している観光施設が多いですが、水上バスというより、9か所の観光スポットで乗り降り自由な遊覧船というイメージ(本数も少なく、非常にゆっくりです)
    乗り降りしないのであれば、船内の施設が充実したバトー・ムッシュやバトー・パリジャン、ヴィデット・デュ・ポン・ヌフなどがおすすめ。

パリ公共交通の基本:zone(ゾーン)

私たちがイメージする”パリ”の観光スポットは点線枠の内側”zone1″にギッシリ詰まっています。
ここを中心にzone2~5のレイヤーがあり、zoneの数が増える毎にパリからの距離も遠くなり、料金も上がっていきます。

地図からも分かるように、パリの市内観光だけが目的の方は、zone1をカバーしたチケットを購入すれば十分かもしれません。

RATP(パリ交通公団)の公式サイトより抜粋

パリ郊外(zone2〜5)の主な観光地・空港

東京から鎌倉やTDLに行くように、パリからベルサイユやディズニーランド・パリなど、郊外へ行くご予定の方は行き先のzoneを事前に確認しておきましょう。
以下はzone3-5の主な観光地です。

はパリ・ミュージアム・パスで入場可能   

観光地、空港:駅名
zone 2ヴァンセンヌ城*、ヴァンセンヌの森:Château de Vincennes
zone 31新凱旋門(グランダルシュ):La Défense – Grande Arche  La Défense
セーブル陶磁器博物館*:Pont de Sèvres 、Musée de Sèvres
zone 4ベルサイユ宮殿*:Versailles Rive Gauche(駅から徒歩10分) Versailles – Chantiers(フランス国鉄(SNCF)Montparnasse発、駅から徒歩20分)
メゾン=ラフィット城*:Maisons-Laffitte (駅から徒歩12分)
(参考) オルリー空港:Antony +Orlyval(シャトルバス:別料金€11)に乗り換え
zone 5ラ・ヴィラ・ヴィラージュ(アウトレット):Val d’Europe 
ディズニーランド・パリ:Marne la Vallée Chessy Parcs Disneyland® 
シャルル・ド・ゴール空港:Aéroport Charles de Gaulle 1,2 
フォンテーヌブロー城*:Fontainebleau-Avon(フランス国鉄(SNCF)Gare de Lyon発) +バス
サヴォア邸*:Poissy(終点)+バス
(参考)外シャンティイ城2*:Chantilly-Gouvieux(フランス国鉄(SNCF)の場合:Gare du Nord発)+バス
  1. zone3のLa Défense – Grande Arche駅とPont de Sèvres駅について
    メトロで行く場合はzone1-2をカバーしているチケットで乗降可能 ↩︎
  2. シャンティイ城の最寄り駅Chantilly-Gouvieux駅から4つ手前のSurvilliers – Fosses駅まではzone5が適用される
    ただし、車内や下車後の清算はできないので、一度下車してチケットを購入する必要がある。
    Navigoの場合は、有効範囲内の駅で追加チャージをしておかなくてはいけない。
    日本の感覚で うっかり乗り過ごすと、罰金をとられることがあるので要注意!!
    ↩︎

運行状況、zoneの確認

パリ交通公団(RATP)のインタラクティブマップは出発地と目的地を検索したり、現在工事中区間などの確認ができるので、便利です。

2.パリの旅行者に効く切符・パス

パリ市内観光のみで切符・パスを比較

まずは、市内観光の範囲で比較。
※料金は2017年10月30日現在

切符・パスイメージzone料金有効期間備考
Ticket t+/チケットt+11枚:1.90€
10枚綴り:14.90€
なし
  • 1枚売りと回数券(10枚綴り1枚綴×10枚より25%お得)がある
  • Orlybus, Orlyval, Roissybusなど、RERを含め空港からの交通に使用不可
  • モンマルトルのケーブルカーも使用できる

※乗り継ぎのルールについて、Ticket t+の乗り継ぎをご覧ください

Mobilis / モビリス1-27.50€1日
  • 1枚で1日乗り放題。対象交通機関はTicket t+と同じ
  • 1日の有効期限は午前0から23時59分まで
  • Orlybus, Orlyval, Roissybusなど、RERを含め空港からの交通に使用不可
Navigo découverte / ナヴィゴ・デクベルト1-522.80€月曜~日曜
  • これまでの1-2、1-3、1-4などが廃止され1-5に統一(以前は1-5で35€程)
    この他、一月分(72.5€)や2zone(2-3、3-4、4-5)がある
  • 週内有効の乗り放題パス。対象週の月曜~日曜まで有効
    その週の木曜日まで購入可能なので、有効期間は4日~7日間
  • 発行手数料は5€かかるが、繰り返しチャージできる
  • パス自体の有効期限は、最後のチャージから10年
  • 4つの中で唯一のタッチ式
  • Orlyval、指定席以外の全ての交通に乗車可能

※デザインが変わりましたが、旧カードも利用可能です

Paris Visite / パリ・ヴィジット
1-31日:12.00€
2日:19.50€
3日:26.65€
5日:38.35€
1日
2日
3日
5日
  • 観光客向けの交通機関乗り放題パス
  • イメージでは記載していないが、改札を通る時は付属のチケット(Ticket t+と同じような切符)を使用する
  • 対象交通機関はNavigoとほぼ一緒(1-5の場合は、唯一Orlyvalが利用可能
  • Navigoに比べると割高感が否めない(Navigoは1-5:4~7日で22.80€)。
  • 優待割引などのサービスもあるが、その範囲から正直あまりお得感を感じない
    ⇒特典については、パリ・ミュージアム・パスや事前予約、クレジットカードの特典などを使えば、余裕でカバーできる
    (正直何故ゴリ押しされているのか不明です、もし認識違いだったら教えてください!)

Ticket t+の乗り継ぎについて

zone1内であれば、1枚で以下の乗り継ぎが可能です。
▼最初の印字から最後の印字までが2時間以内なら有効
メトロ⇒メトロ、メトロ⇒RER、RER⇒RER

▼最初の印字から最後の印字までが90分以内なら有効
路線バス⇒路線バス(RATP 及びOPTILE含む)
路線バス⇒トラム、トラム⇒トラム
ソース:RATPのTicket t+

パリ郊外を含めた切符・パスを比較:zone3以上

※料金は2017年10月30日現在

切符・パスイメージzone料金有効期間備考
Mobilis モビリス1-3
1-4
1-5
10.00€
12.40€
17.80€
1日
  • 1枚で1日乗り放題。対象交通機関はTicket t+と同じ
  • 1日の有効期限は午前0から23時59分まで
  • Orlybus, Orlyval, Roissybusなど、RERを含め空港からの交通に使用不可
Navigo découverte / ナヴィゴ・デクベルト1-522.80€月曜~日曜
  • これまでの1-2、1-3、1-4などが廃止され1-5に統一(以前は1-5で35€程)
    この他、一月分(72.5€)や2zone(2-3、3-4、4-5)がある
  • 週内有効の乗り放題パス。対象週の月曜~日曜まで有効
    その週の木曜日まで購入可能なので、有効期間は4日~7日間
  • 発行手数料は5€かかるが、繰り返しチャージできる
  • パス自体の有効期限は、最後のチャージから10年
  • 4つの中で唯一のタッチ式
  • Orlyval、指定席以外の全ての交通に乗車可能

※デザインが変わりましたが、旧カードも利用可能です

Paris Visite / パリ・ヴィジット
1-51日:25.25€
2日:38.35€
3日:53.75€
5日:65.80€
1日
2日
3日
5日
  • 観光客向けの交通機関乗り放題パス
  • イメージでは記載していないが、改札を通る時は付属のチケット(Ticket t+と同じような切符)を使用する
  • 対象交通機関はNavigoとほぼ一緒(1-5の場合は、唯一Orlyvalが利用可能
  • Navigoに比べると割高感が否めない(Navigoは1-5:4~7日で22.80€)。
  • 優待割引などのサービスもあるが、その範囲から正直あまりお得感を感じない
    ⇒特典については、パリ・ミュージアム・パスや事前予約、クレジットカードの特典などを使えば、余裕でカバーできる
    (正直何故ゴリ押しされているのか不明です、もし認識違いだったら教えてください!)

あなたにオススメの切符・パスは?

滞在期間などにも依りますが、個人的はMobilisかNavigo découverteが断然おすすめです。
理由は、有効期間中は無限に乗車できますし、なんと言ってっも手軽な価格です(パリ・ヴィジットを見ると割高過ぎて納得できません)
また、10枚綴りのチケットを購入⇒残数が気になる⇒結局追加購入or少しの距離×数回で結局、長距離歩く羽目に⇒疲れ果てて途中から楽しむ余裕がなくなってしまった…なんていう話をよく聞きます。
旅行の鉄則は、限りある時間を有効に使うこと!
もったいないことにならないよう事前に自分の予定にあったパスを調べておきましょう。

じゃぁ、MobilisとNavigo découverteどっちがいいの?

料金の目安は、モビリス×3日分>ナヴィゴ・デクベルト(1週間)
∴同じ週の月~日曜日の間で3日以上移動日があるの場合:Navigo découverte
∴同じ週の月~日曜日の間で3日未満しか移動日がない場合:Mobilis

モデルケース:木曜日到着、翌週の火曜日の夜出発
Navigo découverte:月~木に到着で3日以上移動日があれば、買い!
Mobilis:出発日に移動予定・時間がなければ、月曜日のみ購入
※Paris Visite(パリ・ヴィジット)も入れた3者比較はパリ・ヴィジットって使えるの?>他のパスとの料金比較に掲載

 
今週      
翌週      

移動の少ない旅程や1,2日の滞在であればTicket t+で足りる場合もあるので、事前に予定を確認しましょう。

旅行者に効く観光交通

 現在、パリ・オープン・ツアーという名前の巡回バスサービスはなくなっています。
 Big Bus TourやTootBusがありますが、どちらも日本語ガイドはありません。

L’OpenTour(パリ・オープン・ツアー)

土地勘をつけるために、L’OpenTourに乗ってみましょう。
パリ初級者に特にオススメです(私は今でもたまに乗りたくなりますが…)open tour.jpg
リピーターにとっては今更かもしれませんが、これが結構便利なのです。
地図とイヤホンをくれるので、説明を聞きながら(日本語あり)パリの地理を何となく把握することができます。
また、各名所で数分停まってくれるので、外観だけ見れば気が済みそうなものは、バスから堪能と撮影でミッション完了!
スリなどの心配がほぼないので、安心して楽しめる所も魅力です(それでも貴重品はシッカリ!)

ほとんどの名所は網羅されているので、観光巡りが目的なら、Ticket t +とL’OpenTourで十分かもしれません。
この方法は本数が多く、バスの営業時間が長い4月中頃から10月末に限ります。

詳細についてはParis L’Open Tourの取説をご覧ください。

Batobusでの移動

時間のつなぎさえ良ければ、船も交通手段として悪くありません。
とは言えゆっくりなので、あくまで遊覧に近い形で組み込むのがおすすめ。
食事なしのクルーズはバトームッシュやバトーパリジャンの他、ヴデット・デュ・ポン・ヌフ、Batobusなどがある。
詳細についてはセーヌ川クルーズ徹底比較をご参照ください。

流石、観光立国フランス!

交通手段も多く、迷ってしまうぐらいパスやチケットが充実しています。
限られた時間だからこそ、事前リサーチで移動も楽しんじゃいましょう!
それでは、皆さんBon voyage!

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Nagi
Nagihttps://www.voyages.jp
はじめまして!管理人のNagiと申します。 リクルート、医療系マーケティング会社などを経て現在フリーランスで活動中。 2017年から更新が止まり23年に復活。 同年秋に念願のマイルで世界一周を実現しました。 まだ旅行記は下書きのままで更新できていませんが、少しずつアップしていく予定です。 何故かヨーロッパに行くとトラブルに巻き込まれる体質なのは相変わらず。 失敗談の数々が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。 生粋の陸マイラー、時々乗り鉄。口癖は費用対効果! ふるさと納税歴は2013年から。

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